生理中はお腹が痛くなることが多いですが、生理予定日にお腹が痛いにもかかわらず、生理が来ないことがあります。どのような場合に生理が来ない状態でお腹が痛くなるのでしょうか。本記事では、お腹が痛いのに生理が来ない場合に考えられる理由や対処法などを解説します。
そもそも生理とは

生理とは、妊娠に備えて子宮内膜が厚くなった後、受精卵が着床しなかった場合に、その不要になった子宮内膜が剥がれ落ち、血液とともに体外に排出される現象です。
このとき、子宮は内膜を排出するために収縮しますが、子宮収縮を促す「プロスタグランジン」という物質が分泌されます。プロスタグランジンの分泌量が多いと、子宮収縮が強くなり、生理痛(下腹部痛や腰痛など)の原因となります。
お腹が痛いのに生理が来ないときに考えられる理由

お腹に痛みがあるにもかかわらず生理が来ないときは、以下に挙げるようにいくつかの原因が考えられます。
妊娠
妊娠すると、生理が来ないことに加えて下腹部に痛みを感じることがあります。しかし、妊娠の初期症状で必ずお腹が痛くなるわけではないため、生理予定日を1週間以上過ぎても生理が来ない場合は妊娠している可能性がある場合は妊娠検査薬を使う、または産婦人科で検査を受けましょう。
排卵痛
排卵痛とは、排卵期に起こる下腹部痛です。生理予定日ではなく前回の生理と次の生理予定日の間に起こるので、「中間痛」とも呼ばれます。
排卵は左右どちらかで起こるので、左右のどちらかのみ痛みがある、卵巣が張ったような感じがする場合は、排卵痛の可能性があります。通常、排卵痛の痛みは数時間から1日程度で収まります。
婦人科系疾患
生理が来ないうえにお腹に痛みがある場合、子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣機能不全などの婦人科系疾患の可能性があります。これらの疾患は普段から生理痛が強い方にもみられます。また、高プロラクチン血症により生理が止まり、ホルモンバランスの乱れから腹部に不快感を覚えることがあります。
PMS
PMSとは、生理前の3~10日間に起こる精神的・身体的な不調を指します。PMSは女性ホルモンの変動によって起こる症状といわれており、イライラやだるさ、眠気などの症状に加えて、便秘や腹痛が起こることもあります。
生理が始まればPMSの症状は収まるので、生理が来る前の腹痛で生理が来たら症状が収まる場合は、PMSの可能性もあるでしょう。
更年期障害
閉経前後10年程度の更年期は、女性ホルモンの分泌が急激に減少することで自律神経が乱れ、腹痛やほかの不調を感じやすくなります。加齢による腸の機能低下も加わり、腹痛の原因になることもあります。
その他の理由
普段から不規則な生活を送っている、または心身に大きなストレスを感じていたり無理なダイエットをしていたりすると、生理不順の原因となるホルモンバランスの乱れが起こることがあります。体が冷えることによって血行が悪くなることもあるので、生理不順とともに腹痛を起こす原因となるでしょう。
特定の病気ではないため医療機関などでの治療は必要ありませんが、ホルモンバランスが乱れると生理以外にも体調不良を引き起こす原因となります。
お腹が痛いのに生理が来ない場合の対処法

お腹の痛みがあるけれど生理が来ない場合は、以下の3つの方法で対処してみましょう。原因によっては自分自身で改善できないこともあるので、痛みが強い場合は無理をしないことが重要です。
産婦人科を受診する
生理が来ないけれどお腹の痛みがある場合、いつもとは異なる痛みがある場合、痛みが強い場合は、まず産婦人科を受診しましょう。婦人科系疾患や更年期障害の症状は、産婦人科で受診することで適切な治療を受けられ、症状の軽減や改善が期待できるでしょう。
生活習慣を見直す
生活習慣の乱れによるホルモンバランスの乱れが原因で、生理不順や腹痛が起こることもあります。
毎日規則正しい時間に起きて夜ふかしせずにきちんと睡眠を取る、栄養バランスの取れた食事を取るなどを意識するだけでも、ホルモンバランスの乱れの改善が期待できます。
薬を服用する
産婦人科を受診しても腹痛の原因となる病気が見つからなかった場合、生活習慣を改善しても腹痛が治らない場合は、薬を服用するのも一つの方法です。痛みを直接抑える効果がある鎮痛剤のほか、ホルモンバランスを整えるためにピルを服用する方法もあります。
鎮痛剤は市販薬でも効果が期待できますが、処方薬のピルを服用する場合は医療機関またはオンラインでの診察が必要です。
腹痛と生理に関するよくある質問
生理が来ないのにお腹の痛みがある場合は、妊娠や病気の有無など不安に感じられることが多いものです。そこで以下では、お腹が痛いのに生理が来ないときによくある質問を紹介します。
Q. 生理前の腹痛はいつから起こる?
PMSの場合は生理前の腹痛は生理の3~10日前から、排卵痛の場合は前回の生理と次の生理予定日の中間頃に起こります。
ただし、その他の原因による腹痛が始まる時期は個人差があることに加えて、ホルモンバランスも影響しているため、いつから始まるとは断言できません。
Q. 痛みが強い場合はどうすればいい?
お腹の痛みがあるときは、まずは無理をせずに安静にして休息を取りましょう。お腹を温めると、痛みが和らぐことがあります。
休息を取って温めても改善しないほど強いお腹の痛みがある場合は、鎮痛剤を服用しましょう。ただしお腹の痛みが激しく、不正出血や発熱、下痢・嘔吐などの明らかに重い症状が出ているときは病気の疑いがあるため、医療機関の受診をおすすめします。
Q. 妊娠初期と生理前でお腹の痛みの違いはある?
妊娠初期の症状でも生理前と似た腹痛が起こることがありますが、腹痛の感覚や痛みの強さなどで明確に区別することはできません。生理前と妊娠初期は、腹痛の他に胸の張りや腰痛などの似ている症状があるため、痛みだけで妊娠を判断するのは困難です。
妊娠しているかどうかを判別するには、基礎体温をチェックしてみましょう。妊娠していない場合は排卵日を過ぎると基礎体温が上がりますが、生理予定日を過ぎると基礎体温は低くなります。妊娠していると生理予定日を過ぎても基礎体温は低くならず高いままなので、基礎体温が高い状態が続いていてお腹の痛みがある場合は、妊娠の可能性を考えて妊娠検査薬を使うか、医療機関を受診しましょう。
生理が来ない・お腹の痛みが気になる場合は専門医へ相談を
生理が来ないのにお腹が痛い状態にはさまざまな要因があり、中には病気の可能性が潜んでいることもあります。異常を感じた場合は、速やかに医療機関で専門医へ相談し、適切に対処しましょう。
生理の悩みをはじめ、妊娠や女性ならではの悩みを抱えている方は、ぜひCuepodのオンラインカウンセリングに相談してください。ケアコンシェルジュがあなたの悩みをサポートします。
詳しくはこちら






