
温泉での入浴を楽しむための温泉旅行にもかかわらず、生理が重なってしまった、というケースは意外に多いものです。温泉旅行で生理が重なった場合、温泉に入ることはできるのでしょうか。本記事では、温泉旅行に生理が重なった場合の対処法や注意点を解説します。
そもそも生理中に温泉に入っても大丈夫?
何か月も前から予定していた温泉旅行にもかかわらず、旅行期間に生理が重なってしまうことはあり得ます。生理中の入浴はリラックス効果を得られ、体を温められるので血行が促進されて生理痛の緩和効果も期待できます。
しかし、生理中に他の人と一緒に温泉に入っても大丈夫なのでしょうか。
利用する温泉施設のルールによってはOK
生理に合わせて温泉旅行の予定変更が難しい場合、生理中に温泉旅行を決行するケースもあるでしょう。まず、生理中は利用する温泉施設のルールに従うのが基本です。温泉施設で特に生理中の制限がない場合は、ルール上では温泉入浴が可能です。そのため、事前に利用する温泉施設に生理中の利用可否を確認しましょう。
実際は、生理中の利用についての制限は設けていない温泉施設が多くあります。その場合、ルール上では生理中の利用がOKではありますが、後述するように生理中の入浴にはリスクもあるので、生理中の温泉利用は注意が必要です。
体調不良に注意
温泉施設側で制限を設けていない場合でも、生理中の温泉利用は注意が必要です。人によっては、生理痛があったり、頭痛、倦怠感、いらいら、下痢など、普段とは異なる体調の変化が起こりやすい時期です。温泉に入ることで体調不良を起こす可能性もあるため、注意しましょう。
温泉旅行と生理が重なったら?
どんなに生理と重ならないように温泉旅行の予定を調整したとしても、生理が予定通りに来ず、温泉旅行と重なってしまうことは避けきれません。もし温泉旅行と生理が重なってしまったら、どのような対処法があるでしょうか。
タンポンや月経カップを活用する
生理中に入浴したい場合は、タンポンや月経カップを使用する方法があります。
タンポンは腟内で経血を吸収するもの、月経カップは腟内に入れて体内で経血を溜められる生理用品です。また、月経カップは柔軟性のある医療用シリコーン、熱可塑性エラストマー(TPE)で作られています。このような生理用品を使用すれば、経血を体内で受け止めて外へ漏れないようにしてくれます。
シャワーや部屋風呂、貸切風呂のみにとどめる
温泉へ行ったら大浴場や露天風呂などに入るのが醍醐味ではありますが、施設によっては生理中の利用を禁止している場合があります。そのような場合は、部屋風呂や部屋に備え付けられているシャワーを利用しましょう。貸切風呂がある温泉施設であれば他の利用者に気を遣わずに入浴できますが、その場合でもタンポンや月経カップの使用、またはかけ湯のみにとどめておくと安心です。
温泉利用を控える
温泉施設が生理中の利用を禁止している場合は、温泉の利用を控えましょう。せっかくの温泉旅行で温泉に入れないことは残念ですが、他の利用者への配慮や施設の方針を守ることも大切です。
どうしても温泉を楽しみたいのであれば、一度キャンセルして温泉旅行の日程を変更するのもひとつの選択肢です。
生理が重なりそうならピルで調整する
温泉旅行に生理が重なりそうなことがわかっている場合、ピルを使って生理の時期をずらす方法もあります。普段から低用量ピルを服用している場合は、服用期間で調整が可能です。低用量ピルを服用していない場合でも、医療機関で中用量ピルで生理期間を調整できます。なお、中用量ピルは生理予定日の5〜7日前には開始する必要があるため、スケジュールに余裕をもって受診しましょう。
ピルの処方には、医療機関の受診が必要であり、月経周期の調節は保険病名として認められず、基本は自費診療となります。
副作用(吐き気、頭痛、血栓症リスクなど)が起こる可能性もありますので、温泉旅行までに十分なスケジュールの余裕をもって医療機関を受診し、医師と相談しましょう。
生理中の温泉旅行の注意点
生理中は普段とは体の状態が異なるため、旅行へ出かけることそのものに不安が大きいことがあるでしょう。旅行先が温泉となると、生理中でも温泉に入れるのかどうか、楽しめるかどうかも不安要素になりがちです。そこで、生理中の温泉旅行で知っておきたい注意点を解説します。
生理3日目までは入浴を避けるのが無難
生理3日目までは、出血量が多い時期です。医学的には問題はありませんが、生理中の利用制限がなく、タンポンや月経カップを使用していたとしても、経血が漏れるリスクはゼロではありません。部屋風呂以外は他の多くの人も利用する施設なので、生理3日目までは入浴を避けた方がいいでしょう。
生理が終わりかけでも配慮をする
生理の終わりかけは出血量が少ないので温泉に入っても大丈夫なのでは、と思われがちですが、終わりかけでも経血は残っている状態です。お湯の中は水圧で経血が出にくくなっていますが、お風呂から立ち上がったときに経血が出ることはあり得ます。
生理の終わりかけでもタンポンや月経カップを使うなど、周囲への配慮は必要といえます。
生理中の温泉旅行についてよくある質問
生理中に温泉旅行へ出かけた場合、温泉に入れるかどうかが重要なポイントとなります。以下では、温泉旅行が生理に重なった際によくある質問とその回答をご紹介します。
Q. 生理何日目まで温泉に入るのはNG?
生理期間中は温泉にまったく入れないわけではないため、厳密に言えばNG期間はありません。
タンポンや月経カップを使用して周囲へ配慮した上で入れる場合もありますが、体調不良を引き起こす可能性もあります。
出血量の多い3日目までは温泉に入ることを避けたほうが無難ですが、終わりかけでも出血が止まってはいないため、生理が終わるまでは配慮が必要でしょう。
Q. 生理中に温泉に入るリスクは?
生理中は、腹痛や腰痛、頭痛、倦怠感、いらいら、下痢など、普段とは異なる体調の変化が起こりやすい時期です。そのため、普段は問題なく入浴できる温泉でも、体調が悪化する可能性があります。体調や衛生面への配慮を十分に行ったうえで利用を検討することが大切です。
生理中の温泉利用はルールをしっかり確認しましょう
温泉旅行中に生理が重なった場合、温泉施設のルールを守るのが原則です。もし生理中の利用制限がなかったとしても、周囲への配慮は必要不可欠です。温泉旅行中に生理が重なった場合は、事前に旅行先の温泉施設の利用ルールをしっかり確認しておきましょう。






