妊娠中に「安定期に入ると安心」とよく言われますが、実際にはいつからいつまでが安定期なのか不安な方も多いはず。この記事では、妊娠12週と16週の違いや妊娠週数の数え方、安定期の過ごし方まで、初めての妊娠でもわかりやすく丁寧に解説します。
安定期とは?基本的な定義と時期の目安

「安定期」とは妊娠中期に入り、流産のリスクが大きく下がる時期を指します。医学的にはっきりした定義はないものの、一般的には以下のように考えられています。
安定期の始まりは妊娠16週から
多くの産婦人科では「妊娠16週(妊娠5ヶ月)に入る頃」を安定期と見なします。妊娠0週は最終月経開始日から数えるため、つわりが落ち着く12週頃を経て、16週から27週頃が一般的な安定期とされています。
この期間は胎盤の完成し、胎児の成長が安定するため、流産リスクが大きく減少するとされています。
安定期が12週からと混同される理由
一般的に妊娠12週を超えると流産リスクが下がるため、「安定期」と誤解されることがあります。実際には、胎盤が完成を迎え、胎児の成長が安定する16週以降を安定期と考えるのが適切です。
妊娠週数の数え方
妊娠週数は「最終月経の初日」から数えるのが基本です。12週未満が妊娠初期、12週から15週が初期から中期への移行期、16週以降が安定期(妊娠中期)に分類されます。正確な週数を知るためには、母子手帳や医師の指導を参考にしましょう。
安定期に入るとどうなる?体と心の変化

安定期に入ると、体調が整い始める方が多くなります。ただし、個人差が大きいため「安定=無理ができる」わけではありません。
体調が安定しやすくなる
つわりが落ち着き、食欲が戻る方が増えてきます。同時に便秘や眠気が出やすくなったり、お腹が少しずつ目立ち始めたりと、体にさまざまな変化が現れます。この頃から妊娠線ケアや体重管理も意識するとよいでしょう。
心の安定とマタニティブルー
胎動が感じられるようになると、赤ちゃんの存在をより実感でき、安心感が増す方もいます。一方で、妊娠後期に向けての不安や、体型の変化への戸惑いが出てくることもあります。
妊娠中の悩みを抱えている方は、ぜひCueopdのオンラインカウンセリングに相談してください。ケアコーディネーターがあなたの悩みをサポートします。
安定期におすすめの過ごし方

マタニティヨガ・スイミングや日記など、自分の感情を整える時間を持つことが、心身の安定に役立ちます。リラックスできる時間を作り、日々の小さな変化を受け止める姿勢が大切です。
【安定期におすすめの過ごし方】
- マタニティヨガ・スイミング
- 軽いウォーキング
- 短期間の旅行
- 出産準備に向けた買い物
- 安定した職場環境での仕事
安定期は行動の幅が広がる時期ですが、すべてが「自由にできる」というわけではありません。主治医と相談しながら、無理のない範囲で過ごしましょう。
【安定期でも控えたい行動】
- 長時間の立ち仕事
- 重い物の持ち運び
- 海外旅行
- 飛行機の長距離移動
- 激しいスポーツ
- 腹部を圧迫する動作
安定期でも注意すべきリスクと対処法

安定期でも油断は禁物。血糖や血圧の変化には引き続き注意が必要です。日常生活の中での食生活意識や適度な運動を怠ると、本人のみならず子どもにも影響を及ぼすことがあります。
切迫早産や低出生体重児
安定期の過ごし方によっては早産や低出生体重児のリスクが高まり、母体と胎児双方に深刻な影響を与える可能性があります。
お腹の張りが頻繁だったり、出血が見られたりする場合は、早急に医師の診察を受けましょう。必要に応じて安静が指示されることもあります。
妊娠高血圧症候群
妊娠高血圧症候群もリスクの1つです。子癇(しかん)と呼ばれる発作や重篤な合併症につながる可能性があります。
妊娠高血圧症候群は頭痛やむくみ、急激な体重増加がサインとなることがあります。日々の塩分管理や適度な運動、十分な休息が予防につながります。
胎児の先天異常
不適切な薬の使用は胎児の器官形成に影響を与え、先天異常のリスクを高める可能性があります。
風邪薬や市販薬など、妊娠中は使用前に必ず医師に相談することが大切です。予防接種のタイミングなども含めて、自己判断を避けましょう。
安定期の定期的な医療検査

妊娠中は、胎児の発育や健康を確認するための健診が行われます。自治体によっては無料券が配布されることもあるため、母子手帳を忘れずに持っていきましょう。
超音波検査で胎児の大きさや心拍の確認が行われ、血液検査では貧血や血糖、感染症の有無などをチェックします。妊娠初期には、子宮頸がん検診も行われます。
妊娠初期から中期にかけては4週間に1回、後期には2週間に1回、臨月には1週間に1回の頻度で行われることが一般的です。
安定期の時期に関するよくある質問
Q. 安定期に入るのは12週と16週のどっち?
妊娠の安定期は16週(5か月)を迎えた頃を指すのが一般的。
流産リスクが下がる「12週が安定期」と混合されることがありますが、胎盤が完成し、胎児がより安定する妊娠16週(妊娠5ヶ月)頃からを安定期とするのが一般的です
Q. 妊娠中1番しんどい時期はいつ?
個人差が大きいです。つわりがひどい妊娠8〜9週ごろが1番しんどい時期といわれています。
Q. 安定期の性生活は可能?
医師の許可があれば、無理のない範囲で可能ですが、感染予防には注意が必要です。体調やお腹の張りに配慮しながら、パートナーとのコミュニケーションも大切にしましょう。
Q. 安定期に旅行に行ってもいい?
旅行や飛行機利用は、安定期に、無症状であれば禁止はされておりません。ただし、妊娠中はいつ何が起こるかわかりませんので、安定期であっても充分な注意が必要であり、「大丈夫」とは言えません。
事前に医師の許可をもらい、旅行先の医療体制を確認し、無理のないスケジュールで行動することが大切です。
Q. 安定期はいつまで?
安定期は妊娠27週(妊娠中期の終わり)頃までで、その後は妊娠後期(28週以降)に入ります
安定期以降は妊娠後期に入り「後期つわり」と呼ばれる症状が現れ、妊娠初期と同様の吐き気や体調の変化が現れる方もいます。
大切な安定期を快適に過ごそう
「安定期」は妊娠16週から27週頃を指し、心身が安定し始める大切な時期です。この時期にできること、控えることを正しく理解し、家族と支え合いながら快適なマタニティライフを送りましょう。





