【Vol.12】「出産を思い出すと涙が出ます」“トラウマ出産”を抱えたままのあなたへ

出産を思い出すと涙が止まらない、気持ちが整理できない……。周りに「元気そう」と言われるほど、孤独を感じることもありますよね。つらかった出産の記憶は、無理に忘れようとしなくて大丈夫です。心が放つSOSのサインや、自分を癒す小さな工夫について、助産師が寄り添いながらお伝えします。

【Vol.12】「出産を思い出すと涙が出ます」“トラウマ出産”を抱えたままのあなたへ

最終更新日:
2026-01-20
公開日:
2026-01-20
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出産から数か月経っても、思い出すと涙が出てしまいます。 周りには「元気そう」と言われますが、心の中ではつらかった記憶がよみがえることも。 時間が経てば忘れられると思っていましたが、どうしても気持ちが整理できません。

言葉にならないつらい気持ちを届けてくださって、ありがとうございます。 

出産から時間が経っても、思い出すと涙があふれてしまう……。

そんなお気持ちを言葉にしてくださったこと、本当に大きな一歩だと思います。

「時間がたてば忘れられる」「そのうち元気になる」と言われることもあるかもしれません。でも、心の傷は時間が過ぎるだけでは癒えないこともあります。言葉にして外に出すことで、少しずつ消化されていくものだといわれています。

どうか、「まだつらい」と感じているあなたの心を、責めないであげてくださいね。

思い描いていたお産と違うと、心に残ることがあります

出産はひとつとして同じものはありません。

そのときの赤ちゃんの状態、お母さんの体調、ご家族の状況、病院の体制など、さまざまな要因が重なり合って形作られるものです。

だからこそ、「こうしたいな」「こんなふうに迎えたいな」と願っていたことが、望む形でかなわないこともあります。

例えば、

・自然分娩を望んでいたけれど、帝王切開になった

・夫に立ち会ってほしかったけれど、状況的に叶わなかった

・陣痛の痛みの中で、ひとりきりで耐えなければならなかった

こうした「かなわなかったこと」「怖かったこと」「寂しかったこと」は、心の奥で静かに傷になります。その傷が、時間が経ってもふとよみがえることは、決して珍しいことではありません。

涙は、心が放つSOSのサインかもしれません

感情を言葉にして表すことは、心を癒すひとつの方法です。

でも、もし今のあなたが

・思い出しただけで胸がいっぱいになる

・涙が止まらなくなる

・気持ちが大きく揺れてしまう

と感じているのであれば、まだ言葉にするには負担が大きいときなのかもしれません。

その場合は、無理に「整理しよう」「前に進もう」としなくても大丈夫です。

「元気になれない自分」を責めることなく、まずは「そのままの自分」にそっと寄り添ってあげることが大切です。

もし、「誰かに聞いてほしい」と感じられる日が来たら、助産師と一緒にバースレビューをしてみるのも選択肢のひとつです。

バースレビューは「きちんとした言葉」で話す必要はありません。

「寂しかった」

「つらかった」

「怖かった」

「悔しかった」

「もっとこうしたかった」

そんな今のあなたの気持ちを、そのまま受け止めてもらう時間です。言葉にすることで、少しだけ心が軽くなる方も多いです。

一人で抱えなくて大丈夫です

もしかすると、今はまだ気持ちを整理する段階ではないのかもしれません。それでも大丈夫です。

まずは、

・深呼吸をしてみる

・あたたかい飲み物をゆっくり飲む

・短い休息の時間をつくる

・涙が出たら、その涙を否定しない

こうした「心がふっと軽くなる小さなこと」を、日々の中に少しずつ取り入れてみてください。自分自身を優しく包む時間は、きっと癒しの力になるはずです。

つらさを言葉にしたいと思えたときには、どうか助産師を頼ってください。あなたが安心して話せる場所は、必ずあります。

時間がかかっても、ゆっくりでも、立ち止まってもかまいません。あなたのペースで歩んでいけば大丈夫です。その歩みに、そっと寄り添いながら応援しています。

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