マタニティマークはいつからつける?迷う理由や職場での使い方も解説

マタニティマークはいつからつける?迷う理由や職場での使い方も解説

最終更新日:
2025-11-21
公開日:
2025-11-19

妊娠初期に、マタニティマークをいつからどのようにつけようか迷う方は少なくありません。結論としては、自分が必要だと感じたタイミングでつけてOKです。

マタニティマークをつけることで体調不良時などに助けを得られやすくなる一方、視線や周囲の反応が気になるという声もあります。

この記事では、マタニティマークをつけるタイミングやつけるべきか迷う理由、職場や通勤時の使い方について詳しく解説します。妊娠中の日常生活を少しでも安心して過ごすために、マタニティマークについての理解を深めましょう。

マタニティマークはいつから?自分のタイミングでつけてOK

マタニティマークは、妊娠がわかった時点から使えます。つけ始める時期に、明確な決まりはありません。

多くの方は、つわりがつらい時期や通勤時など、必要だと感じたタイミングでつけ始めています。

「体調が安定してから周りに知らせたい」と考える方もいるため、迷うのは自然な気持ちです。

マタニティマークは、自分が安心して妊娠生活を送るためのサポートアイテム。他人の目や意見に縛られすぎず、自分にとって安心できるタイミングでつけることが大切です。

マタニティマークをつけるか迷う3つの理由

ここでは、多くの妊婦さんがマタニティマークをつけるか迷う3つの理由を紹介します。

1.周囲の視線が気になる

マタニティマークをつけることを迷う理由のひとつに、周囲の視線が気になるという気持ちがあります。

「いつも笑顔で、優しくふるまうべき」といった理想的な妊婦像を押しつけられているように感じ、プレッシャーを抱える人も少なくありません。

そのため、マタニティマークをあえて目立たない場所につけたり、使わなかったりする人もいます。

2.周りに気をつかわせたくない

マタニティマークをつけることをためらう理由として、周囲の人に気をつかわせたくないという思いがあります。

たとえば、電車で「席を譲らなきゃと思わせたら申し訳ない」と感じたり、配慮されたりすることに遠慮してしまう人も少なくありません。

マタニティマークをつけることで、周囲に気をつかわせたくないと感じる心理は、この結果とも重なります。

3.トラブルを避けたい

「トラブルを避けたい」という理由でマタニティマークの使用を控える人もいます。

近年では、SNSなどで「妊婦様」といった表現が使われることもあり、過度な配慮を求めていると誤解されることへの不安を抱く人もいます。また、マタニティ・ハラスメントに関するニュースや公共の場で冷たい視線を受けた話を耳にして心配になる人も少なくありません。

あえて見えない場所にマークをつけるなど、自分の安心を優先する使い方をすることも大切です。

マタニティマークをつける3つのメリット

ここでは、子ども家庭庁の「マタニティファクトブック1)」に基づいて、マタニティマークをつけるメリットを3つ紹介します。

無理に頑張りすぎず、自分とお腹の赤ちゃんを守るための選択肢のひとつとして参考にしてくださいね。

1.体調不良時に気付いてもらいやすい

妊娠初期は見た目に変化が少なく、周囲に妊娠を伝えづらい時期です。

しかし、つわりや立ちくらみ、貧血など、体調が急に悪くなることもあります。マタニティマークをつけていると、体調不良のときに気づいてもらいやすくなります。

2.緊急時に妊婦だと知らせやすい

災害や事故などの緊急時に、妊娠中であることを周囲に伝えるサインとして役立ちます。

いざというときに自分で説明できない状況でも、マタニティマークによって妊娠を知らせることができ、迅速な対応につながる可能性があります。

3.交通機関で優先席を利用しやすい

マタニティマークをつけていると、公共交通機関で優先席を利用しやすくなります。また、通勤電車などで体調が悪くなったとき、マタニティマークをきっかけに席を譲ってもらえることもあります。

優先席の利用を促すポスターを掲示している鉄道会社も多く、社会全体で妊婦を支える動きが広がっています。

職場ではマタニティマークをいつからつける?

職場でマタニティマークをつけるタイミングに悩む方も多いのではないでしょうか。ここでは、つけ始める時期や使い方の工夫について見ていきましょう。

妊娠報告後につけ始める人が多い

職場では、妊娠報告をした後にマタニティマークをつけ始める方が多い傾向にあります。安定期に入るまでは、流産のリスクを心配して周囲に知られたくないと考える方も少なくありません。

ある日本の研究によれば、職場の雰囲気が妊娠・出産をサポートしているかどうかは、就労の継続や妊娠の報告のしやすさにも影響を与えることがわかっています2)

職場のサポート体制に合わせてマタニティマークをつけ始めるタイミングを決めることが大切です。

妊娠報告前はつけ方に工夫をする人も

職場に妊娠を報告する前でも、体調が不安な通勤時だけ使うという人もいます。バッグの内側にマークを下げておけば、必要なときだけ見せることができます。

職場では目立たないように、マークを裏返しておいたり、必要な場面でだけ取り出すという使い方もできます。自分のペースで使える方法を試してみてください。

マタニティマークはどこでもらえる?

マタニティマークは、基本的に無料で入手できます。ここでは、主な入手先をご紹介します。

自治体の窓口

マタニティマークは、妊娠届を提出する際に、保健センターや役所の窓口で母子手帳と一緒に手渡されるのが一般的です。ただし、配布される場所やタイミングは、自治体によって異なります。事前に市区町村のホームページなどで確認しておきましょう。

首都圏の鉄道会社

マタニティマークは、首都圏の一部の鉄道会社の駅で配布されています。数に限りがある場合や配布していない駅もあるため、鉄道会社のホームページで情報を確認しておくと安心です。

通販サイトやベビー用品店

マタニティマークは、Amazonや楽天市場などの通販サイトやアカチャンホンポや西松屋といったベビー用品店で購入することもできます。

ただし、全国に共通して知られているのは、厚生労働省に選ばれた公式デザインのマークです。周囲の認知度を考えると、できるだけ公式デザインに近いものを選ぶ方が安心です。

マタニティマークはどこにつける?

マタニティマークはいつからつけるかだけでなく、どこにつけるかも迷うポイントです。日常のさまざまな場面で活用できるよう、自分のライフスタイルに合った場所につけましょう。

バッグやリュック

マタニティマークは、通勤や買い物などに使うバッグやリュックにつけるのが最も一般的です。バッグの持ち手やファスナー部分など、目に留まりやすい位置に取り付けるとよいでしょう。

スマホやパスケース

スマホケースやパスケースなど、日常的に使う小物にマタニティマークをつける人も少なくありません。とくに出し入れが多いものにつけておくことで、無理なく周囲に妊娠中であることを伝えやすくなります。

ポケットやバッグの内側

マタニティマークは、必ずしも目立つ場所につける必要はありません。たとえば、バッグの内ポケットにマークを入れておいたり、リュックのサイドポケットにつけたりするなど、外からは見えにくい場所に携帯する方法もあります。

妊娠していることをあまり知られたくない場合や必要なときだけ見せられるようにしたい場合におすすめです。

マタニティマークに関するよくある質問

ここでは、マタニティマークについてよく寄せられる質問を取り上げました。

Q.マタニティマークはどれくらいの人が知っていますか?

平成30年の内閣府の調査によると、「マタニティマークを知っていた」と回答した人は58.1%でした3)。同年代では男性が女性よりも、同性では高齢者が若年者よりもマタニティマークを知っていた人の割合は少ないことが示されました3)

マークの認知度は、世代や性別によって差があるのが現状です。国もマタニティマークの普及に向けて、交通機関や自治体を連携し、さらなる周知活動を進めています。

Q.マタニティマークは複数個もらえますか?

多くの自治体では母子手帳の交付時にマタニティマークを1つもらえますが、申し出れば追加で配布してくれる場合もあります。マタニティマークを複数のバッグやポーチにマークをつけたい場合は、お住まいの市区町村に問い合わせてみてください。

また、通販サイトやベビー用品店でも2つ目以降を購入可能です。好みに合わせて選んでみてもよいでしょう。

自分のライフスタイルに合わせてマタニティマークをつけよう

マタニティマークは、妊娠がわかった時点から自分のタイミングでつけて問題ありません。

必ずしも、目立つ場所につける必要はなく、通勤時のみ使用したり、バッグの内側につけたりと状況に応じて工夫しましょう。体調不良時や緊急時に自分を守るためのサインとして、ぜひ自分に合った形で活用してみてください。

参考文献

1)子ども家庭庁. マタニティマークファクトブック. 子ども家庭庁Webサイト.

https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/40ad2240-d94a-47ea-8cf9-a25a901963b3/0daf486b/20230401_policies_boshihoken_maternity-mark_02.pdf

2)大原賢了, 佐伯圭吾, 鴻池義純, 岡本希, 冨岡公子, 西岡久之, 車谷典男. 就労女性の妊娠判明後の退職行動規定要因に関する疫学研究. 産業衛生学雑誌. 2012;54(2):61-70.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/sangyoeisei/54/2/54_B11017/_pdf/-char/ja

3)国立大学法人山梨大学. 平成30年度子ども・子育て支援推進調査研究事業 「健やか親子21(第2次)」中間評価を見据えた調査研究 事業報告書. 2019年3月. 山梨大学.

https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000592894.pdf

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