実は、「パートナーに妊活や不妊治療の悩みを打ち明けられない」という声は、多くの女性から聞かれます。誰にも話せず、一人で抱え込んでしまうケースも珍しくありません。
不妊治療は2人で取り組むもの。後ろめたく感じる必要はない
不妊検査を受けて自分に原因があると伝えられると、深く落ち込んでしまう方も多いでしょう。
しかし、不妊検査で分かることはあくまで一部です。
例えば、男性の精液検査では、数値上は問題がなくても、実際には精子のDNA損傷率が高いこともあります。また、受精卵の成長には卵子だけでなく、精子の質も影響します。
つまり、検査で女性側の原因が見つかったとしても、それが唯一の原因とは限りません。自分を責めたり、パートナーに対して後ろめたく感じたりする必要はないのです。
そもそも不妊治療は、原因がどちらにあるかに関わらず、2人で取り組むものです。
確かに通院や服薬など身体的負担は女性に偏りがちですが、だからこそ、精神的な負担やプレッシャーなど、心の面では2人で支え合うことが大切です。
もしかすると、男性も本当は「パートナーをサポートしたい」「もっと治療のことを知りたい」と思っているかもしれません。あなたが「申し訳ない」「後ろめたい」と感じているのと同じように、男性側も「何かしてあげたいのにできていない」と感じているかもしれません。だからこそ、遠慮や後ろめたさを少し手放して、これからの治療について2人で話してみましょう。面と向かって話しにくい場合は、手紙やメッセージに書いて伝えるのもおすすめです。

自分の気持ちだけを一方的にぶつけないことも意識して
相手に話をする際に意識してほしいのは、自分の想いを一方的にぶつけないことです。
男性の中には、「パートナーの力になりたいけれど、何をすればいいかわからない」「落ち込む相手にどんな言葉をかけたらいいのか迷っている」という人も多くいます。
もちろん、「パートナーが自分で不妊治療について調べて理解してほしい」「私がわざわざ言わなくても寄り添ってほしい」という気持ちは当然です。けれど、相手が動くのを待っているだけでは、お互いの気持ちはすれ違ったままです。だからこそ、パートナーは不妊治療についてあまり知らないという前提で、今の状況や気持ちを整理して伝えましょう。
また、男性によっては、まず「何をしてほしいのか」という“結論”を伝えてから、治療内容や背景を話したほうが伝わりやすいこともあります。相手の性格や受け取り方を考えながら、話す順番や伝え方を工夫してみてください。
もし、男性側がこの記事を読んでいるなら、ぜひ不妊治療や体外受精について調べて、少しでも理解を深めてほしいと思います。それがパートナーを支える第一歩です。
話を聞いてくれなさそうでも、一人で抱え込まないで
長く一人で頑張ってきた人ほど、いざ話そうと思っても感情があふれて冷静に話せないことがあります。
そんなときは、通院先の看護師さんや心理士さんに相談し、「パートナーに何をどう伝えたいのか」を一緒に整理してもらいましょう。オンラインで相談できる心理の専門家に話を聞いてもらうのも良い方法です。
パートナーが話を聞いてくれなさそうな場合でも、決して一人で抱え込まないでください。まずは専門家に話を聞いてもらい、心を少し軽くすることが大切です。
また、涙が止まらなかったり、気持ちが沈みすぎてしまう場合は、心療内科などの受診を検討しましょう。精神的に追い詰められているサインかもしれません。
一人で悩みを抱え続けず、必要なときには、どうか遠慮せずに頼ってください。







