【Vol.6】「毎回『風邪』とごまかすのがつらい」妊活の通院、職場へどう伝えればいい?

妊活や不妊治療中は、「終わりが見えない不安」「焦り」「孤独感」など、様々な感情が押し寄せます。この連載では、妊活専門のカウンセラーや医師が、皆様の心にそっと寄り添い、不安やストレスと上手に付き合っていくための「心の処方箋」をお届けします。

【Vol.6】「毎回『風邪』とごまかすのがつらい」妊活の通院、職場へどう伝えればいい?

最終更新日:
2025-12-04
公開日:
2025-12-04
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「妊活をしていますが、通院のために休む理由を職場で言えず、『風邪』『生理痛』とごまかしてばかりです。 本当のことを話した方がいいのかなと思いつつ、勇気が出ません。このまま続けるのがつらくなってきました。どうすればいいでしょうか」

うそを重ねてしまう前に、まず知っておきたいこと

職場で「不妊治療のために休みます」と言い出せず、「生理痛」や「風邪」と説明してしまう人は珍しくありません。ただし、繰り返し同じ理由で早退や欠勤をすると、体調管理の問題だと思われることがあります。

さらに、不妊治療は通院頻度が高く、スケジュールも不規則です。別の病気を理由にしてしまうと、実際の通院ペースとの間にズレが生じ、次第に不自然さが生じてしまいます。

うそを重ねて自分を追い詰めてしまう前に、「どう伝えると自分にとって負担が少ないか」を考えてみましょう。

会社の制度を確認し、伝える準備を整える

最近は、不妊治療と仕事の両立を支援する制度を導入している企業も増えてきました。就業規則や社内ポータルサイトなどに制度が掲載されていることもあるため、まずは自分の職場にどんな制度があるのか確認してみてください。

また、人事部門や健康経営の担当者など、部署外に相談できる窓口がある会社もあります。その際は「上司にはまだ伝えないでほしい」と一言添えると、安心して相談できます。情報共有の範囲を最初に確認することも大切です。

一方、制度や相談窓口がない場合は、どうしても上司への相談が必要になります。

なかには「同僚の方が話しやすい」と同僚だけに話す人もいるかもしれません。しかし、たとえ話しやすい相手であっても、同僚だけに伝わった状態では、当然、業務調整には繋がりません。結果として、周囲に負担をかけ、混乱させてしまうこともあります。そのため、まずは上司へ伝えることが基本です。

上司に話すときは次の3つを整理しておきましょう。

・遅刻・早退・休みの頻度(目安でOK)

・業務への影響や引き継ぎの必要性

・誰にどこまで情報を共有してよいか

なお、上司や同僚が不妊治療の知識を持っていない場合は、厚生労働省の「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック」を一緒に確認してもらうと理解が深まりやすいでしょう。

自分に合った治療スタイルを選ぶ

仕事と妊活を無理なく両立するには、通いやすいクリニックを選ぶことも大切です。夜間診療や土日の診療を行っているクリニック、待ち時間を短くする工夫をしているクリニックなどを選ぶことで、仕事への影響を減らせる場合があります。

ただし「通いやすさ」だけで選ぶのはおすすめできません。治療方針、医師との相性、実績など、自分にとって納得できるポイントと合わせて考えることが大切です。

自分に合った治療スタイルを見つけることで、通院の負担が減り、長く続けやすくなります。

自分を守るための「伝え方」を選んでいい

妊活と仕事の両立は、身体的にも精神的にも負担が大きいものです。だからこそ、職場にどう伝えるかは、自分自身の心を守るためにとても大切なポイントです。

すべてをオープンにする必要はありません。「最低限必要なことだけ伝える」「信頼できる人にだけ伝える」「制度や相談窓口を活用する」など、自分に合った方法を選んで大丈夫です。

まずは「ひとりで抱え込まない」ことが大切です。今、ひとりで悩んでいるのであれば、どうか抱え込まずに、頼れる場所や人を見つけてください。あなたが無理なく治療を続けられる環境づくりを、必要なサポートとともに進めていけますように。

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