【Vol.7】「妊婦健診で『体重増えすぎ』と言われるのが怖い」体重チェックのストレスとどう向き合えばいい?

産前産後は、女性の生涯で最もホルモンバランスが変動する時期。心と体が不安定になりやすいこの時期を、どう乗り越えればいいのでしょうか?助産師が、ホルモン変化のメカニズムから、ママ自身やご家族ができる具体的なストレス対処法・セルフケアのコツまで、実践的にアドバイスします。

【Vol.7】「妊婦健診で『体重増えすぎ』と言われるのが怖い」体重チェックのストレスとどう向き合えばいい?

最終更新日:
2025-12-09
公開日:
2025-12-09
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妊婦健診のたびに体重のことを言われるのがストレスです。自分なりに気をつけているつもりでも、「もう少し体重を抑えましょうね」と言われると、責められているような気持ちになります。 そのため、最近は健診の前日に食事を抜いたり、水分を控えたりしてしまうこともあり、「赤ちゃんによくないのでは」と不安です。妊婦としてこれでいいのかと思ってしまうこともあり、健診に行くのが憂鬱になっています。

体重管理は「完ぺき」を目指さなくて大丈夫

妊娠中の体重管理は難しいものです。「怒られるかもしれない」と思うと、つい食事を控えすぎてしまうこともあるかもしれません。でも、過度な制限は赤ちゃんや妊婦さん自身の体に負担になることがあります1)

妊婦健診で体重を確認するのは、数字を見て評価するためではありません。体調や生活習慣を一緒に振り返り、健康を守ることが目的です。急に体重が増えたときは、むくみや血圧の変化がないかを確認する意味もあります1)

なお、適正な体重増加量は、妊娠前の体格(BMI)によって異なります2)

・やせ気味の方:12~15㎏

・ふつう体型の方:10~13㎏

・肥満気味の方:7〜10kg(BMI30以上の方は、5㎏が上限)

これはあくまで目安です。体調やお腹の赤ちゃんの成長に合わせて、医師や助産師と一緒に確認していきましょう。

日常でできる体重管理の工夫

体重を減らすことだけを目的にせず、バランスの良い食事と無理のない運動を意識することが大切です。

・毎日体重を測る:朝起きたあとなど、同じタイミングで測ると変化に気づきやすくなります。

・食べたものを簡単に記録する:スマホアプリや手帳に書くだけでも、食事内容を客観的に振り返ることができます。

・日常生活で体を動かす:医師から安静の指示がなければ、家事や散歩など無理のない範囲で動くだけでも十分です。

また、ちょっとした工夫で、食事の質を上げることもできます。 

・朝食に温かい汁物を一品取り入れる

・冷凍野菜や豆腐をプラスする

・甘いおやつをフルーツに置き換える

こうした小さな積み重ねが、無理なく続けられるコツです。

妊娠中は、体も心も大きく変化する時期です。だからこそ、「おいしい」「心地よい」と感じる瞬間を大切にしてほしいと思います。

自分の感覚を信じて過ごすことが、結果的に健康的な習慣につながっていきます。その感覚は、赤ちゃんが生まれたあとの子育てにもきっと役立つはずです。

体重増加が不安なときは、遠慮なく相談を

「どうしていいかわからない」「不安だな」と思うときこそ、助産師に相談してみてください。通院中の産院で話しにくい場合は、地域の助産院や助産師会も頼れる場所です。専門家や家族など、頼れる人に話を聞いてもらうだけでも気持ちが楽になることがあります。そうやって少しずつ、安心して過ごせる毎日をつくっていきましょう。

焦らず、自分の心と体を大切にすること。それが赤ちゃんにとっても、あなた自身にとっても、いちばんの支えになります。

参考文献

1)松岡隆(編)『妊婦健診と保健指導パワーアップガイド』メディカ出版、2021年

2)厚生労働省「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針 解説要領」2021年

https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/a29a9bee-4d29-482d-a63b-5f9cb8ea0aa2/aaaf2a82/20230401_policies_boshihoken_shokuji_02.pdf

  

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