【Vol.21】「産後、ずっと疲れが抜けません」休んでいるはずなのに回復しない理由

産後、休んでいるはずなのに疲れが取れない……。それは決して特別なことではありません。産後の「元気」は、妊娠前に戻ることではないのです。疲労感は体からのやさしいサイン。回復のスピードは人それぞれだから、自分を責めなくて大丈夫。産後の疲れとの向き合い方を、助産師がやさしくお伝えします。

【Vol.21】「産後、ずっと疲れが抜けません」休んでいるはずなのに回復しない理由

最終更新日:
2026-03-24
公開日:
2026-03-24
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産後しばらく経ち、生活のリズムも少しずつ整ってきたはずなのですが、体の疲れがなかなか取れません。 夜にまとまって眠れる日があっても、朝起きるとすでにだるさを感じてしまいます。周りからは「もう落ち着いた頃じゃない?」と言われることもあり、いつまでこの状態が続くのだろうと不安になります。産後の疲れが長引くのは、よくあることなのでしょうか。

生活は整ってきたのに、なぜか抜けない疲れ

出産後、赤ちゃんとの暮らしが少し落ち着いてきたはずなのに、なぜか疲れが抜けない。そんなふうに感じている方は、実は少なくありません。

周りから「もう落ち着いたころじゃない?」と言われると、「まだこんなに疲れている私はおかしいのかな」と不安になることもあるでしょう。でも、その感覚は決して特別なものではありません。

実は「疲れている」と自覚できることは、とてもすごいことです。目の前のことに必死になり、120%の力をふりしぼっているときは、疲れたと感じる余裕さえありません。「私は疲れているな」と感じられるのは、ほんの少し緊張がゆるみはじめたサインかもしれません。

産後は、体が回復しきらないうちから赤ちゃんのお世話が24時間続きます。息つく暇もない日々だった方も多いでしょう。ここまで本当によくがんばってこられましたね。

ひと晩やふた晩、まとまって眠れたとしても、これまでの蓄積がすぐに回復するわけではありません。それだけたくさんの力を使ってきたのです。まずはご自身に「お疲れさま」と、やさしく声をかけてあげてください。

「元気」は、妊娠前にもどることではない

「元気」とは「元の気」と書きます。産後に元気が出ないと感じるとき、私たちは無意識に、妊娠前の自分と比べているのかもしれません。けれど、今はあの頃と同じ状況ではありません。体も、生活も、役割も、大きく変化しています。

だからこそ、産後には産後の「元気」があるのだと思います。以前のように軽やかに動けなくても、赤ちゃんの小さな変化に気づけること、眠い目をこすりながらも毎日を回していること、それも今のあなたの「元気」のかたちです。

ただ、産後は常に赤ちゃんに気を配り、耳を澄ませ、何かあればすぐに動けるようにしている状態が続きます。体を横にしていても、気持ちは完全には休まっていないことも多いでしょう。夜に眠れていたとしても、どこかで緊張が抜けきらない。予想外の連続の中で、先を見通せない毎日……。

生活リズムが整ってきたように見えても、完全にオフになれる時間は実はとても少ないのです。疲れが取れないのは、それだけ一生懸命に過ごしている証でもあります。

疲労感は、体からのやさしいサイン

「なんとなくすっきりしない」「ずっと重たい感じが続く」というときは、体からのやさしいサインかもしれません。

長く眠ることだけが回復ではありません。

たとえば、

・たんぱく質や鉄分を意識した食事をとること

・体が温まるような軽い運動(産後ヨガやストレッチなど)をすること

・寝る前に入浴や深呼吸の時間をつくること

・夜はできるだけスマートフォンの光を控えること

どれも特別なことではありませんが、こういった行動も産後の体をそっと支えてくれます。これならできそうと思えることがあれば、試してみてください。

回復のスピードは人それぞれです。人が「もう落ち着くころ」と言っても、その基準があなたに当てはまるとは限りません。「自分はまだ少し違う気がする」と気づける力は、とても大切な力です。

どうか、疲れが抜けない自分を責めないでください。今日も十分にがんばっています。今のあなたのペースで、大丈夫です。

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