生活は整ってきたのに、なぜか抜けない疲れ
出産後、赤ちゃんとの暮らしが少し落ち着いてきたはずなのに、なぜか疲れが抜けない。そんなふうに感じている方は、実は少なくありません。
周りから「もう落ち着いたころじゃない?」と言われると、「まだこんなに疲れている私はおかしいのかな」と不安になることもあるでしょう。でも、その感覚は決して特別なものではありません。
実は「疲れている」と自覚できることは、とてもすごいことです。目の前のことに必死になり、120%の力をふりしぼっているときは、疲れたと感じる余裕さえありません。「私は疲れているな」と感じられるのは、ほんの少し緊張がゆるみはじめたサインかもしれません。
産後は、体が回復しきらないうちから赤ちゃんのお世話が24時間続きます。息つく暇もない日々だった方も多いでしょう。ここまで本当によくがんばってこられましたね。
ひと晩やふた晩、まとまって眠れたとしても、これまでの蓄積がすぐに回復するわけではありません。それだけたくさんの力を使ってきたのです。まずはご自身に「お疲れさま」と、やさしく声をかけてあげてください。
「元気」は、妊娠前にもどることではない
「元気」とは「元の気」と書きます。産後に元気が出ないと感じるとき、私たちは無意識に、妊娠前の自分と比べているのかもしれません。けれど、今はあの頃と同じ状況ではありません。体も、生活も、役割も、大きく変化しています。
だからこそ、産後には産後の「元気」があるのだと思います。以前のように軽やかに動けなくても、赤ちゃんの小さな変化に気づけること、眠い目をこすりながらも毎日を回していること、それも今のあなたの「元気」のかたちです。

ただ、産後は常に赤ちゃんに気を配り、耳を澄ませ、何かあればすぐに動けるようにしている状態が続きます。体を横にしていても、気持ちは完全には休まっていないことも多いでしょう。夜に眠れていたとしても、どこかで緊張が抜けきらない。予想外の連続の中で、先を見通せない毎日……。
生活リズムが整ってきたように見えても、完全にオフになれる時間は実はとても少ないのです。疲れが取れないのは、それだけ一生懸命に過ごしている証でもあります。
疲労感は、体からのやさしいサイン
「なんとなくすっきりしない」「ずっと重たい感じが続く」というときは、体からのやさしいサインかもしれません。
長く眠ることだけが回復ではありません。
たとえば、
・たんぱく質や鉄分を意識した食事をとること
・体が温まるような軽い運動(産後ヨガやストレッチなど)をすること
・寝る前に入浴や深呼吸の時間をつくること
・夜はできるだけスマートフォンの光を控えること
どれも特別なことではありませんが、こういった行動も産後の体をそっと支えてくれます。これならできそうと思えることがあれば、試してみてください。
回復のスピードは人それぞれです。人が「もう落ち着くころ」と言っても、その基準があなたに当てはまるとは限りません。「自分はまだ少し違う気がする」と気づける力は、とても大切な力です。
どうか、疲れが抜けない自分を責めないでください。今日も十分にがんばっています。今のあなたのペースで、大丈夫です。





















